日本の高度経済成長時代において、人々は大気汚染をはじめとする様々な公害問題に直面してきました。今では、環境問題に対する意識が非常に高まっており、環境破壊や健康に被害を及ぼす可能性のある物質の放出とその影響には、厳しい目が注がれています。
このことを踏まえ、企業としては、健康に有害な物質が工場や施設から誤って大気中に放出されてしまった場合に備えて放出先を予測し、近隣に及ぼす被害を防ぐ努力をしなければなりません。
ガス拡散シミュレーションシステムは、工場や施設から大気中に放出された「大気汚染物質」や「有害化学物質」など、健康に障害が生じる物質の時間経過に伴う拡散状況を予測し、平面図と断面図に表現できます。
本システムには細かな設定項目が設けられているため、様々な条件を想定してよりリアルな結果を得ることができます。
これにより、近隣施設への臭気被害や大気汚染の可能性を未然に防いだり、対策を講じることが可能となります。
排煙や漏れ出した燃料ガスといった大気が周辺地域にどう拡散していくのかを上空写真に反映し、同時に発生源からの断面図を表示します。同条件で異なる排ガスの拡散被害を予測するときに、シミュレーション内容をパターン登録して、素早く呼び出すこともできます。
「発生源」や「排出量」、気温や風速、風向、気圧といった「気象条件」などの入力項目や付近の建屋情報や敷地情報の設定項目があるなど、詳細設定が充実しており、より正確な結果を得ることが可能です。また、ダウンウォッシュも考慮できるようになっております。